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ETCコーポレートカードの大口・多頻度割引とは?計算方法を分かりやすく解説

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ETCコーポレートカードの大口・多頻度割引とは?計算方法を分かりやすく解説

「ETCコーポレートカードを検討したいが、割引額が分からない」
「ETCコーポレートカードを使っているけど、割引額の計算方法が分からない」
そんな疑問を抱える方のために、本記事では大口・多頻度割引の仕組みと計算方法を分かりやすく解説します。
実際にどれくらいの割引が受けられるのか、算出の流れを知っておくことで、比較検討にも役立ちます。

高速道路料金が気になっている方は、ETCカードの見直をしてみてはいかがでしょうか。
ETCコーポレートカードについて興味のある方はこちらもご覧ください。

最強割引率のETCコーポレートカードが向いている人・いない人

ETCコーポレートカードとは?

ETCコーポレートカードは、東/中/西日本高速道路株式会社(以下、NEXCO東/中/西日本)より発行されるETCカードです。 数あるETCカードの中で唯一、大口・多頻度割引が適用され、NEXCO東/中/西日本はもちろん、首都高速、阪神高速など地方の高速道路でも、高速道路料金の大幅な削減が叶えられます。

このETCコーポレートカードを利用するには①NEXCO東/中/西日本に申し込むか、②事業協同組合経由で申し込むことが必要です。
事業協同組合に加入してETCコーポレートカードを発行する場合、法人企業・個人事業主のみ発行することができます。
一方で事業者ではない方はNEXCO東/中/西日本で申し込めますので、そちらもご検討ください。

では本題の大口・多頻度割引について詳しく解説していきます!

大口・多頻度割引を構成する2つの割引制度

大口・多頻度割引は簡単に言えば「高速道路を使うほど割引率が高くなる」割引制度です。利用状況次第では最大で50%の割引率が適用される、お得な割引制度といえるでしょう。
そんな大きな割引の大口・多頻度割引ですが、実は車両単位割引と契約単位割引という2つの割引が組み合わさっている割引制度であり、それぞれ条件や仕組みが異なります。

車両単位割引

車両単位割引とは、車両1台ごとの月間利用額に応じて割引率が変動し、最大で40%の割引率が適用される割引です。
この車両単位割引の割引率を左右するポイントは以下の通りです。

・1台あたりの月間利用額

車両1台あたりの月間利用額が多くなるほど、割引率が段階的に高くなっていく仕組みのため、高速道路を頻繁に利用する車両ほど大きな割引が適用されます。
高速道路料金が増えるほど割引率も高くなるため、高速道路料金が1万円のときよりも、3万円使ったときの方が割引も多く適用されます。

ちなみに1か月間の高速道路料金が車両1台あたり5,000円以下の場合、割引は適用されません。
つまり車両1台あたりで月間5,000円以上の利用があるかないかが、ETCコーポレートカードを導入する基準点とも言えるでしょう。

道路会社別 割引率表(車両単位割引)

・利用する路線

車両単位割引は高速道路の路線によって設定された割引率が異なるため、同じ利用額だったとしても路線が違えば割引額も変わってきます。
さらに、割引対象外の路線もあることから、よく利用する高速道路が割引対象の道路なのかを確認することをおすすめします。 割引対象道路一覧表(PDF)

契約単位割引

契約単位割引とは「契約者の高速自動車国道利用額が月間500万円を超え、かつ、車両1台あたりの月間平均利用額が3万円を超える場合、10%の割引が適用」されます。
なお、高速自動車国道とは全ての高速道路というわけではありません。
高速自動車国道法で定義された明確な区分がありますが、ここでは具体的にイメージできるように、簡単に説明します。

・高速自動車国道:東名、名神などの全国の枢要部分を構成する高速道路であり、首都高速や阪神高速は含まれません。

ただ、1か月に高速自動車国道利用額を500万円以上利用するのは、大規模な運送会社等でない限り難しいですよね。
多くの場合、実際に適用されるのは車両単位割引だけである場合がほとんどだと言えます。
大口・多頻度割引は車両単位割引の最大40%と契約単位割引の10%を合わせて、最大50%の割引率が適用される、という仕組みです。

大口・多頻度割引の計算方法

では実際どうやって車両単位割引が行われているのか、ここで、どなたでも計算できる計算方法について例を交えながら説明します。

ポイント① 各高速道の利用額を車両ごとにわける

車両単位割引は車両1台あたりの月間利用額に応じて割引率が変動します。
まずは車両ごとに各利用額を足していき、1か月間にどの車両でいくら使ったか、がわかるように仕分けをします。

普通自動車A

利用したIC 利用額
東京~御殿場 2,620
御殿場~岡崎東 4,650
岡崎東~御殿場 4,650
御殿場~東京 2,620
新横浜~三郷 1,950
三郷~新横浜 1,430
新横浜~三郷 1,430
三郷~北茨城 3,880
北茨城~三郷 3,880
三郷~新横浜 1,430
羽田~板橋本町 1,110
練馬~魚沼 5,170
魚沼~練馬 5,170
板橋本町~羽田 1,110
東京~御殿場 2,620
御殿場~岡崎東 4,650
岡崎東~御殿場 4,650
御殿場~東京 2,620
練馬~魚沼 5,170
魚沼~練馬 5,170
合計 65,980

 

ポイント② 路線を確認する

車両単位割引は利用する高速道路の路線によって割引率の設定が異なるため、利用している高速道路の路線を確認し、仕分けします。
ETCカードの利用明細では、多くの場合どこのICで乗り降りしたかが記載されています。
NEXCOのホームページからICを検索することで、利用している路線が調べられますので参考にしてみてください。
もし割引対象外となる路線を利用している場合は、その路線の利用額は割引対象ではありませんのでご注意ください。

利用したIC 利用額 利用している路線 高速道路会社
東京~御殿場 2,620 東名高速道路 NEXCO(東/中/西日本)
御殿場~岡崎東 4,650 東名高速道路・新東名高速 NEXCO(東/中/西日本)
岡崎東~御殿場 4,650 東名高速道路・新東名高速 NEXCO(東/中/西日本)
御殿場~東京 2,620 東名高速道路 NEXCO(東/中/西日本)
新横浜~三郷 1,950 首都高速 首都高速道路株式会社
三郷~新横浜 1,430 首都高速 首都高速道路株式会社
新横浜~三郷 1,430 首都高速 首都高速道路株式会社
三郷~北茨城 3,880 常盤自動車道 NEXCO(東/中/西日本)
北茨城~三郷 3,880 常盤自動車道 NEXCO(東/中/西日本)
三郷~新横浜 1,430 首都高速 首都高速道路株式会社
羽田~板橋本町 1,110 首都高速 首都高速道路株式会社
練馬~魚沼 5,170 関越自動車道 NEXCO(東/中/西日本)
魚沼~練馬 5,170 関越自動車道 NEXCO(東/中/西日本)
板橋本町~羽田 1,110 首都高速 首都高速道路株式会社
東京~御殿場 2,620 東名高速道路 NEXCO(東/中/西日本)
御殿場~岡崎東 4,650 東名高速道路・新東名高速 NEXCO(東/中/西日本)
岡崎東~御殿場 4,650 東名高速道路・新東名高速 NEXCO(東/中/西日本)
御殿場~東京 2,620 東名高速道路 NEXCO(東/中/西日本)
練馬~魚沼 5,170 関越自動車道 NEXCO(東/中/西日本)
魚沼~練馬 5,170 関越自動車道 NEXCO(東/中/西日本)
合計 65,980

参考:ICを入力して検索 | 高速料金・ルート検索 | NEXCO 西日本の高速道路・料金・ETC割引・渋滞情報

ポイント③ 割引額を計算する

各車両の高速道路利用額と利用している路線の仕分けができたら、車両単位割引の割引率表をもとに割引額を計算します。
割引率は各路線によって異なるため、路線ごとに計算することになります。したがって、一度利用額を路線別に集計します。
利用額を路線別に集計すると今回の普通自動車Aの路線別利用額は以下の通りとなります。

合計利用額
NEXCO(東/中/西日本) 57,520
首都高速道路株式会社 8,460

では実際に割引額を計算してみましょう。
まずNEXCO東/中/西日本の割引額から計算します。
NEXCO東/中/西日本の車両単位割引の割引率は以下の通りです。

NEXCO 東/中/西日本 割引率表
利用額 割引率(ETC1.0) 割引率(ETC2.0)※
5,000円までの部分 0% 0%
5,000円超~10,000円までの部分 10% 20%
10,000円超~30,000円までの部分 20% 30%
30,000円を超える部分 30% 40%

※ETC2.0を使用する事業用車両に限り適用される割引率です、(2026年3月末まで)

今回はETC車載器がETC1.0の場合の割引率を用いて計算します。

5,000円超~10,000円までの部分 5,000円×10%= 500円
10,000円超~30,000円までの部分 20,000円×20%= 4,000円
30,000円を超える部分 27,520円×30%= 8,256円

500円+4,000円+8,256円=12,756円

ここでNEXCO東/中/西日本では月間で12,756円の割引が発生することが計算できました。
続けて、首都高速の割引額も同じ要領で計算していきましょう。
首都高速の割引率は以下の通りです。

首都高速
利用額 割引率
5,000円までの部分 0%
5,000円超~10,000円までの部分 10%
10,000円超~30,000円までの部分 20%
30,000円を超える部分 25%

※特定範囲内のみ利用の場合。月間利用額1万円超の部分に拡充割引率10%適用

5,000円超~10,000円までの部分 3,460円×10%= 346円

首都高速では月間346円の割引が発生することが計算できました。
最後にNEXCO東/中/西日本と首都高速の割引額を合算します。

NEXCO東/中/西日本の割引額 12,756円 + 首都高速の割引額 346円 = 13,102円

このように、例の普通自動車Aでは月額13,102円の割引が発生する結果となりました。
この例は1台分ですが、複数台で運用すればさらにコスト削減の効果が高まります。

大口・多頻度割引の要点チェック

割引制度の説明や割引額の計算の仕方などを説明してきましたが、大口・多頻度割引とはどんな割引か、ここで要点だけまとめてみましょう。

  • ●大口・多頻度割引は車両単位割引と契約単位割引が組み合わさっている
  • ●車両単位割引は1台あたりの高速道路利用額によって割引率が違う
  • ●割引額を計算するには利用している路線などの事前確認が必要

大口・多頻度割引は最大割引率50%が適用される割引制度であり、高速道路をたくさん利用する方ほど恩恵を受けられます。
一方で、大口・多頻度割引という名称から、大規模な運送会社など大口利用者専用の割引制度だと思われることがありますが、実際には大口・多頻度割引が適用されるETCコーポレートカードは1枚からでも発行することができます。
高速道路の利用が増えてきたと感じたら、ETCコーポレートカードの利用を考えてみてもいいでしょう。

高速道路の割引に興味があるなら

ETCコーポレートカードで適用となる大口・多頻度割引についてここまで解説してまいりました。
割引の仕組みはわかっても、実際に計算しようと思うと「利用額を車両ごとにわけて、路線を確認して・・・」と計算までの準備が必要なこともご理解いただけたかと思います。

ETCコーポレートカードに切り替えてメリットはあるのか、実際の割引額はいくらなのか、その疑問を解消するにはプロに任せるのがおすすめです。
全国商工事業協同組合連合会では、どのくらい割引額が出るかを無料試算しています。
また、現在の運用方法をヒアリングし、最適なETCカードについて無料相談も実施しています。

高速道路料金のコスト削減や、経費精算作業を簡単にしたいと思われている方は、ぜひ一度お問い合わせください。

お問い合わせはこちら

全商連加盟組合の取り扱い事業についての資料もございます。

 

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