全商連だより Magazine
記事紹介
冬の高速道路で夏用タイヤ 今季はNEXCOが強く注意喚起
2026年10月予定 首都高速 普通車1kmあたり3円値上げへ
2027年3月末まで延長 NEXCO 大口・多頻度割引
40年振りの労働基準法改正 見送りになった背景は?
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冬の高速道路で夏用タイヤ
今季はNEXCOが強く注意喚起
2026年の年始早々から寒波に見舞われ、北海道や日本海側を中心に記録的な大雪となりました。今季も各地で夏用タイヤのスタック(雪道などでタイヤが空転して動けなくなる現象)や事故が原因とされる渋滞が発生し、NEXCOはスタックした車両をSNS上に投稿するなど、強いメッセージと共に注意喚起をしました。
2026年の立ち往生事例と冬用タイヤの装着率

2026年1月2日夜から3日にかけて、山陽自動車道(広島県・山口県境付近)で発生した大雪による立ち往生では、約30台の車(主に夏用タイヤの車)がスタックし、最大で約23km、およそ3,000台が巻き込まれる渋滞が発生。
この影響で16時間以上通行止めとなりました。また2026年1月23日午前11時頃、北陸自動車道(福井県南条郡南越前町)でトラック2台がスタックし車線をふさいだため、107台が立ち往生しました。
NEXCOだけでなく国土交通省も、雪道での装備不十分による悪質な立ち往生に対し、行政処分の対象とするなど厳しい姿勢を示しています。

NEXCO東日本関東支社は、2025年12月3日と7日に降雪地域の代表的な休憩施設(①東北自動車道:那須高原SA ②関越自動車道:赤城高原SA ③上信越自動車道:横川SA)において、冬用タイヤの装着状況調査を実施し、全車種で20.2%の車両が夏用タイヤで走行していると発表しました。
夏用タイヤでの雪道走行は法令違反になります。雪道や凍結路面では冬用タイヤ装着などの防滑措置が法令で義務化されており、違反すると大型車7,000円、普通車6,000円の反則金が適用されます。
万一事故を起こした場合は事故時の過失が重くなり、損害賠償責任を負う可能性もあります。
すでに春の暖かさ、しかし地域によってはまだ注意も必要
山間部はまだ雪がたくさん残っており、気温も低くなります。特に日陰と夜から早朝にかけては注意が必要です。溶けた雪が水となって路面を流れ、アイスバーンになっている可能性があります。
春の気配に惑わされず、冬用タイヤの装着と、慎重な運転を心掛けましょう。雪道や凍結路面の制動距離を6種類のタイヤで検証した動画はこちら
(JAF公式YouTubeチャンネル)2026年10月予定
首都高速 普通車1kmあたり3円値上げへ
首都高速は2026年10月より、普通車の料金を1kmあたり約3円引き上げる料金改定案を発表しました。
近年の物価高騰や老朽化対策に伴う維持管理・補修コストの増大、労務費・材料費の高騰を背景に、今後も安定した道路サービスを提供するため、将来にわたる維持管理費の確保が必要だと発表しています。値上げ率は約10%

今回の改定は、走行距離に応じた料金単価が引き上げられます。
普通車の場合で1kmあたり料金を約3円引き上げ、現行29.52円から約10%増の32.472円になります。また、下限料金(例:普通車300円)、上限距離(55.0km)は現行維持となります。2026年3月末で期限を迎える割引を5年間延長
今回の値上げに併せて、国民生活・経済活動を支える物流などの支援のための「大口・多頻度割引の拡充措置」と、都心部の交通集中を回避するための「都心流入割引」「都心流入・湾岸線誘導割引」を2031年3月末までの5年間延長すると発表しました。
2031年3月末まで延長大口・多頻度割引の拡充措置
都心流入割引 都心流入・湾岸線誘導割引
これまでの取組みにより年間約40億円のコスト縮減
省電力で長寿命のLED照明に変更
高圧ナトリウム灯からLED照明に変更することにより、消費電力を約60%削減。更新・管理費用も縮減。
橋の継ぎ目を無くすノージョイント化
ジョイント交換や橋桁端部への漏水を起因とする腐食損傷の縮減。
この他にもメンテナンス技術による縮減や防草処理といった取組みを行っており、今後もETC専用化の推進などを行うことで更なるコスト縮減を検討するとしています。
2027年3月末まで延長
NEXCO 大口・多頻度割引NEXCO東/中/西日本の3社は、ETCコーポレートカードの「大口・多頻度割引(車両単位割引)」の拡充措置※について、2027年3月末まで延長すると発表しました。

40年振りの労働基準法改正
見送りになった背景は?
2019年に施行された「働き方改革関連法」は長時間労働の是正を目的に、残業時間の上限規制などを初めて罰則付きで導入しました。この法律には「施行後5年を目途に見直しを行う」との規定が盛り込まれており、今回の労働基準法改正の議論はその延長線上で行われてきました。
働き方改革後に浮かび上がった課題
働き方改革により、全体として残業時間は減少しましたが、その一方で様々な課題が浮かび上がりました。
こうした状況を受け、厚生労働省は2024年1月、学識者による「労働基準関係法制研究会」を設置し、労働時間・休日・休息のあり方を中心に労働基準法の見直しを検討していました。
研究会報告書にて「規制整理」の方向性を提示
2025年1月に公表された研究会報告書では、労働者の健康確保を軸に次のような改正案が示されました。いずれも現行制度の“抜け穴”を埋め、過度な働き方を防ぐことを目的とした内容です。

健康確保と柔軟な働き方をめぐる調整
研究会は今回の改正において、連続勤務や休息時間に関して原則的なルールを明確にすることを基本とした制度改正を検討していましたが、中小企業団体や業界団体などからは「人手不足の中では現場が回らなくなる」「一律の規制は業種・業態の実態に合わない」といった懸念の声が上がりました。
以前より裁量労働制などをめぐる議論においては『健康確保のための規制と働き方の柔軟性をどう両立させるか』が論点とされてきました。専門職やテレワークを活用する層を中心とした労働者にも「時間ではなく成果で評価されたい」「働く時間や場所を柔軟に選びたい」といったニーズが一定程度存在する一方で、本人同意や選択に委ねる制度については、その意思が職場慣行や評価制度の影響を受け、形式的なものに留まる恐れがあるといった指摘もあり、研究会(厚生労働省)はこうした点を踏まえ、制度によって実効性や健康確保を担保する方針で検討を進めてきました。
こうした中、2025年10月に発足した新政権により「心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和検討」といった指示があり、健康確保のための規制と働き方の柔軟性の両立という従来からの論点が改めて重要な検討事項となり、政府内での調整は難航することとなりました。
法案提出は見送りへ
結果として2025年12月、厚生労働省は労働基準法改正案の国会提出を見送ると判断しました。ただし改正そのものを白紙に戻したわけではなく「方向性を再整理し、改めて検討を続ける」という位置づけのため、今後、どのような形で制度設計が進むのか、引き続き注視が必要です。
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